FXで参考にしたい経済指標 「米国中古住宅販売件数」
■米国中古住宅販売件数とは
米国中古住宅販売件数とは、当月に所有権の移転が完了した中古住宅の販売件数のことで、住宅需要を判断する指標のひとつです。
住宅需要の高まりは、建設資材や家具、家電製品などの需要拡大に波及するため、景気全体への影響が非常に大きいといわれています。
これが、「住宅需要は景気動向と密接な関連性を持っている」といわれる所以で、住宅関連の指標の「新築住宅販売件数」と同様、米国の景気動向に対して先行性が高い経済指標といわれています。
■ なぜ、中古住宅販売件数が指標となるのか
日本で中古住宅市場は、あまり注目されていません。
いっぽうアメリカでは中古住宅市場が成熟しているため、「ライフステージに合わせて中古住宅を住み替えていく」というのが一般的です。
そのため、新築住宅販売と同様に中古住宅販売件数が景気動向の先行指標として注目されています。
■ 米国中古住宅販売件数の発表時期・時間
米国中古住宅販売件数は、NAR(全米不動産業者協会)から毎月25日に、前月の結果が発表されます。
■ 米国中古住宅販売件数の見方・判断の仕方
新築住宅販売件数が契約書へのであるのに対し、
中古住宅販売件数は所有権移転完了ベースで集計するので、署名ベースの新築住宅販売件数に対して30~60日の遅効性があるといわれています。
また、住宅需要に関する経済指標は、所得状況やモゲージローン金利動向に影響を受けやすいため、金利上昇期には、ローン金利上昇を見込んだ駆け込み需要が増加します。
また、季節や天候の影響を受けやすく、予測が大きくはずれることもあります。
予想外の数値は「サプライズ」となって大きな影響を及ぼしますので、こうした傾向も把握しておくといいでしょう。