日銀の「利上げ」と「利下げ」が為替に及ぼす影響
■ 日銀の利下げが円安につながるわけ
日銀の金融政策決定会合において、政策金利を引き下げることを「利下げ」と言います。
外国為替市場のニュースなどで「利下げ観測」が円安の要因として取り上げられることがあります。
利下げが円安を招くのは、「日本円と外国通貨との金利差が拡大する」からです。
皆さんも預金をする場合、できるだけ金利が高いところを預金先に選ぶはずです。
為替市場でもこれと同じような動きが起き、利下げを決定する国の通貨は売られ、金利が高い国の通貨は買われます。
現在の日本は超低金利政策を採用しています。
そのため、日銀の利下げは、外国通貨との金利差拡大につながり、「金利の低い円を売り、金利の高い外国通貨を買う」動きが出るため、円安になります。
日銀が利下げをするのは、日本の景気が悪いと判断される場面です。
そのため、GDPがマイナス成長を示したり、機械受注統計や鉱工業生産指数などの重要経済指標が景気後退を示したりすると、利下げの懸念が生じてきます。
■ 日銀の利下げが円安につながるわけ
日銀の金融政策決定会合において、政策金利を引き上げることを「利上げ」と言います。
日銀の「利上げ観測」が浮上すると、為替は円高になります。
これは「利下げ」と逆の構造で、利上げによって他国との金利差が縮小するため、円が買われます。
日銀が利上げを決定するのは、日本の景気が回復する局面です。
そのため、GDPがプラス成長を示したり、機械受注統計や鉱工業生産指数などの重要経済指標が景気回復を示したりすると、利上げの懸念が生じてきます。