FOMCの「利上げ」と「利下げ」が為替に及ぼす影響
FOMCは、アメリカの金融政策を決定する会合のことです。
「FOMCの利上げ観測」が浮上すると、円安の要因として取り上げられることがあります。
これは、FOMCの利上げが金利差の拡大を招くため、投資家の資金が金利の高い「ドル」に集まり、円安へとつながるからです。
FOMCの利上げ懸念が台頭してくるのは、米国経済のファンダメンタルズの改善を示す経済指標が発表された場合などです。
そのため、米国のGDPがプラス成長を続けたり、雇用統計などの重要な経済指標が、アメリカ経済の好調さを示したりした場合には、円安・ドル高になります。
いっぽう、「FOMCの利下げ観測」が浮上すると、円高の要因として取り上げられることがあります。
これは、FOMCが利下げをすると、二国間の金利差が縮小するためです。
また、それまでの「円売り・ドル買い」のポジション解消の動きも出てきます。
こうした動きが円高へつながります。
FOMCの利下げ懸念が台頭してくるのは、GDPがマイナスになったり、雇用統計などの重要な経済指標が、アメリカ経済の減速を示したりした場合です。
ただし、時として「FOMCの利下げ=円高・ドル安」とならない場合もあります。
例えば、米国の景気減速懸念がドル安の要因となっているような相場では、「FOMCの利下げ」がアメリカの景気テコ入れにつながり、「景気が回復する…」と判断されます。
そのため、減速懸念の後退が「ドル買い」を引き起こします。
これは一例ですが、為替相場は様々な要因で変動します。その時の為替相場のテーマやトレンドを把握したうえで、取引を行うようにしましょう。